仮想空間シフト

会社の読書会に参加しています。課題の本が一冊決められて、それについて感想を話し合う会です。みなさん要約が読めるflierに登録しているので、要約だけ読んで参加したり、全く読まないで参加する人も多数です。ファシリテーターがうまく皆さんの意見を吸い出してくれている感じですね。他の人の発言に自分も理解が深まるし、気づきをもらえる感じで、気に入って参加しています!

 

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今月の本は「仮想空間シフト」でした。

 

仮想空間シフト

 尾原 和啓 (著), 山口 周 (著) 、2020/8/6、amazon評価:4.3、flier評点:3.7

 

仮想空間シフト

 

前書き

  • コロナをきっかけに物質空間から仮想空間へのシフトが顕在化している。
  • 既にミレニアム以下の世代にとって親しみのあった仮想空間がその上の世代にも広がった。
  • 「リアルファースト」から「仮想空間ファースト」の価値観へのシフトは遅かれ早かれ不可避であった変化である。
  • 働き方改革の推進や東京一極集中の解消、高度な教育が安価かつ世界中で受けられる未来がやってくる。環境問題も改善される可能性がある。
  • このとき、わたしたちのアイデンティティや自由という概念はどのように変わるのか。

 

働き方の変化が始まる

東京でオンラインによる在宅ワークを導入している会社は2020年6月当時で6割にも増加している。オンラインとオフラインの主従関係が逆転した。多くの人が仮想空間でも仕事ができることに気づき、実際20歳以上の雇用者1100人を対象にした調査でも6割程度の人が、コロナ収束後も在宅ワークを続けたい、と回答している。

 

私の会社は外資系ということもあり、コロナ前からテレワーク環境にあり、週に2回までのテレワークが可能でした。それでも環境として十分だったわけではなく、テレビ会議テレビ会議システムやスカイプを使用していて、音質や通信環境はよくなかったです。 

会議では会議室から参加している人が多数であったため、テレワークから参加すると会議室の雰囲気がわからなかったり、声が聞こえなかったりして、結局「大事な会議は出社して参加する」「テレワーク時は一人でできる作業を集中してやる」といったような使い分けをしていました。 

昨年コロナ前から週5日のテレワークが認められるようになった後も、テレワークの頻度は週に2~3日という人がほとんどで、増えることはなかったですねー。

 

ところが、コロナで100%テレワークになると、劇的に快適になりました!会議参加者の分断の問題もなくなったし、Teamsなどの導入で、自宅から遜色なく業務が継続できるようになりました!!

 

やっぱり、テレワーク少数派だとうまくいかなくて、ツールの導入もそうだけど、「全員の意識の変化」が必要なんだなと思います。全員が変わることで、仕事のやり方自体が、会社全体でテレワーク仕様に変わっていきます。 

会議のやり方ひとつをとっても、事前にagendaと内容をシェアするのは普通ですが、必要な時だけ参加してあとは議事録でフォローする、チャットやリアクションを活用して反応を示す、積極的に発言して参加する等、ビデオ会議ではリアル会議とは違った工夫が必要で、それを全員が認識を共有して実践することで、生産的で効率的な会議をすることができるんだな思います。

 

まあ、ブレストとか、リアルのほうが効率イイね、っていう場面もあると思いますが、それに気づければ「ここは会って話そう」となり、時間も有効的に使えますよね。本当に通勤とか移動の時間が無くなったというのは素晴らしいことだと思います。

私みたいなワーキングマザーは、これまでいろんな点で制約があったわけだけども、ライフワークバランスはかなり良くなったと感じてます。

今は、「リアルで集まれ」と言われたら、「その価値があるか」を考えるようになりましたね。学会参加も、かかる費用が全然違いますからね~。会場で立ち見してるよりは画面で見れた方がずっといいし、海外の学会参加も気軽に申請できるし(でも高いけど)!だから、移動の時間とお金払ってわざわざ行くなら、人脈形成とか、トピック以外の情報を得たいときとか、そういうことになってきますよね。それだけのものを持って帰れますか?っていう。

  

仮想空間では物理空間上での仕事は「参加者全員が同じ時間に同じ場所に集まる」ことを前提にしていたため、「1時間という時間の単位」で動くことを強いられていたが、仮想空間はこの1時間という単位から私たちを解放してくれる。

 

確かに会議を途中で抜ける人は多いし、会議室を行ったり来たりするようになりましたね。それでもいきなり本質的な話に入る「ホットスタート」が切れる、ってことは、あんまりないような印象かな…。やればできるんだろけども。 

オンラインでも、ただ聞いてるだけの人もやっぱりいるし。仮想空間の会議をいかに生産性の高いものにするのかっていうのは、結局は参加者一人一人の意識なのかなと思いますけどね。

 

以前の物理空間で人間関係が構築されていたからこそ、現在の仮想空間でうまくいっている、貯金で食いつないでいる、という考え方もあり、空気が読みにくいという仮想空間の課題はこれから顕在化する可能性がある。

 

オンライン会議で思うのは、けっこう疲れるってことですね。空気が読めないし、チャットやリアクションしながら表情も意識したり…。「どうやってチームが一体になるか」って意識してアイスブレイク的な時間を入れたりしてくれているプロジェクトもありますね。 

会社の研修ではバーチャルオフィスの紹介もありました。仮想空間だと偶然の出会いがどうしてもなくなってくるので、そういうものをアバターを使ってバーチャルオフィスで作る、みたいなやつですね。面白そうでした。今後はVRも普及するだろうなと思います。VRは毎年VR元年と言われているらしいですが、やっと時代が来ますかね。

 

来るべき仕事

デジタルネイティブの世代は「リアル」と「バーチャル」の価値は等価。生まれたときから物には困っていないので、ハングリーさが足りない、草食化しているなんて上の世代からは言われるが、そういう指摘はピントを外している。何に対してハングリーなのかという価値観がずれている。彼らは「意味合い」「目的」を主たるモチベーションとしている。

 

このあたりのに関してはメンバーでも意見が分かれていましたね~。世代の問題なのかな?っていう。 

個人的にはやりがいをモチベーションとして生きるタイプなので、常に意味が自分にとっては重要です。なので、「それって当然じゃないの?」といった感じがしますが、残念ながら、多くの仕事では「どんな意味があるのか」という魅力的な課題(イシュー)を提供できていないのだそうです。

 

明日からできること

個人として何ができるか、という点では、まあ、複数の収入減を持つべきだ、とのことです。メンバーでも、副業できるならやってみたい、と考えている人がほとんどでした。そりゃそうだよね。 

自分もパラレルキャリア的な位置づけで社会活動をしたいと思っていますが、継続的に良いものを提供するには、やはり資本が必要ですよね。そういう意味でも、どういう風に収入を得て継続していくかはしっかり考えないといけないなあ、と思っています。それぞれのキャリアが、高めあってうまく回るのが理想ですよね。

 

興味のあることに一歩踏み出すのは勇気がいりますが、こちらの本では「階段のステップを小さくする」ことを心がけよう、とあります。一新塾でも「小さなステップを刻んでいく」ということを言われますね。 

レアジョブを立ち上げた加藤智久さんの講義でも、「失敗しない範囲でやった」と言っていたし、NPO団体立ち上げについてのセミナーなんかでも「無料でできる範囲で回数を重ねた」というお話をよく聞きました。 

結構、頭でっかちで理論ばっかりやっちゃったりするんですよね。考えすぎで行動が伴わなくなっちゃったり。やりたいことが見つからないという人は、何でもいいからまずは行動なんだと思います。体験せずして心が揺さぶられることって、そうそうないのだ。うむ。

 

価値観ディバイド

これまで語られてきた「デジタルディバイド(分断)」はテクノロジーを「使えるかどうか」であったが、これは解消しつつあり、現在生じつつあるのは「それを使おうという価値観をもっているかどうか」という「価値観ディバイド」だ。ミレニアム世代は「物理空間と仮想空間は対等のもの」と思っているし、Z世代に至っては、むしろ「仮想空間ファースト」の価値観を持っている。一方でそれより上の世代は、「物理空間が主で仮想空間はサブにすぎない」と感じている。

 

「この辺本当ですか?」の問いに、ミレニアム世代たちは「そうですね!」と全員即答でした…。「どちらが大事とかではなく、どちらも当然大事で、今仮想空間でできないことは、物理的空間に寄せていくべきで、出来るようになると思う」とのこと。 

確かにこの価値観ディバイドは感じますよね~。個々の分岐点は本によると46歳らしいんですが、私ギリギリついていける方にいますかね? 

最初からなんでも「リアルが一番!」的な方や「ついていけない。無理!」っていう方も結構いますよね?自分もあんまり、興味あるタイプではなかったですが、それでもこの変化を40代で諦めてたら、結構危機的なんじゃないかなと個人的には思ったりします。

 

プロジェクトで活動していても、オンラインツールは子どもは使ってみたいし覚えも早いんだけど、実際親の世代がついていけてなくて壁になる、という所は感じます (;´∀`)。 

親たちが、これからの未来をちゃんと想像できていないというか、子ども世代の価値観を理解できないというか、そいういう所もあるかなーって(自分も含め)。変化が急だと、どうしても分断っていうのが起きやすいけれど、ぼんやりしているうちに、自分たちでも知らない間に格差になってた、なんてこともあるかなと。

これまでは日本に住んでいることが有利に働いていたこともあると思うけど、これからはむしろどうなのかな?

 

社会に乗り遅れないように自分をupdateしていきたいですね~。VRが当然になったら、「本当に人がそばにいてくれる価値」「体験できる価値」っていうのがもっとずっと高まるんじゃないかなと思うんですよね。そういう点では、保育や学校現場の教育、芸術、旅行、友達や家族なんか、今よりずっと、価値が再認識されるんじゃないですかね~。心を動かす力は、やっぱりリアルが勝るだろうなと思うので。でも、もしかしてそういう所も想像を超えてくるのかな!?

 

読書会ができなくても、amazonでレビュー見てるだけでも理解が深まりますよね。そんなことないです?

仮想空間シフト

仮想空間シフト

 

 

 

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